社長あいさつ

糸井重里

創刊21周年のごあいさつ

かたちをちゃんとすることについて
考え直す。

なにか、かたちをちゃんとしようとすると、
いつのまにか、かたちをまもることが、
いちばん大事なことになってしまったりします。
かたちをちゃんとすることが目的のようになって、
もともと、なにをしたくて、なにをしているのかが、
わからなくなってしまうことが、よくあります。
ぼくらのなかにも、そういう要素があります。
このまま行くと、もっとかたちが整うと思われます。
それは、いいことなのだろうか。

直しようがなくなるくらいに固まるまでに、
かたちをちゃんとすることについて、
考え直そうとしています。
これが、ほぼ日刊イトイ新聞の創刊21周年の気分です。

でたらめになるのではないですよ。
みんなによろこんでもらうことと、
じぶんたちが生き生きしててうれしいことと、
その交差点みたいなところで仕事したい。
かたちやわくが先にあって、
それに合わせてやるのは、かえって危険な気がします。

ほぼ日という生きものは、かたちを整えるよりも、
きっと、脱皮がしたいのではないかとイメージします。
そのためには、もっと力をつけなきゃ。
そして、やわらかくならなきゃとしみじみ思います。
そういう意味もあって、
今年の21周年記念日のあいさつは、
こんなふうなことを書いてみました。

AIとか、ロボットとか、機械というものって、
よく役に立とうとしているけれど、
人間とちがって「遊べない」んですよね。
そして、きっと「おもしろがれない」んです。
どの材料でつくられていても、カタブツだからね。
そこらへんのところ、なんだかとても大事な気がする。
人間は「やさしく、つよく、おもしろく」ができるもんね。

と、これを今年2019年の創刊記念日の
あいさつにしようと思います。


2019年6月6日

株式会社ほぼ日 代表取締役 社長 糸井重里


(2019年6月6日のほぼ日刊イトイ新聞に掲載したものです)



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