社長あいさつ

糸井重里

創刊22周年のごあいさつ

ありがとうございます。
なんだか、元気なのです。
負け惜しみじゃなくて、
たのしみがあるから。

こんな6月6日、ちょっと既視感があります。
そう、2011年の創刊13年の記念日にも、
そうとうな緊張感をもって、この日を迎えました。
そのときは、あまりの大きな震災の前で、
率直に「ことばがない」というところから、
出発しようと考えました。
でも、ことばを使わないと
前に進むための目印がなくなってしまうと思って、
「少なく言う」ことを意識していました。

2020年のいま、また、似たようなことになっています。
創刊22年の「ほぼ日」は、あらためて、
わかったようなことは言えない状況のなかにいます。
ただ、あのときから10歳近く大人になっているせいか、
どうしていたらいいかについての経験がありました。

足元をしっかりして、自前の力で立てるかどうか。
そして、なにができるかを数えて、それをやること。
人のためにも、じぶんのためにも、健康でいること。
それは、どういう暗さのなかにいても、
変わらないでいいものです。
幸い、元気で、地に足をつけて立っています。
それだけでも、ほんとうにありがたいことです。
多少の経験も重ねてきましたが、多少の筋肉もあり、
血の巡りもわるくならないで動けています。

もともと、2019年のごあいさつで、
2020年には、かたちをちゃんとするよりも、
もっとやわらかくなって力をつけて、
「脱皮をするんだ」と言っていました。
そのつもりで計画していたことは、着々と進んでいます。
それは、新型コロナウイルスのことがあっても、
頭のなかや、人と人とのやりとりが続いているせいで、
休むことなく前に向かっています。

ぼく自身が、いままででいちばん、
いまの「ほぼ日」のやりかけていることを
たのしみにしています。
遠く大きな景色に目が向いているせいで、
足元近くのぬかるみとか、途中の道筋については、
あんまり怖がったり不安がったりもしていません。
いまからが圧倒的におもしろいのです。
この景色は、やがて見えてくるものです、
秋から、冬、来年にかけてになるかなぁ。
みなさんも、ぜひ、たのしみにしていてください。

夢につけた手足は、しっかり動いています。
応援してくださる方々に、こころから感謝してます。
こういう2020年ですけれど、ぼくらは元気です。
「やさしく、つよく、おもしろく」、やっていきます。
ぜひ、いっしょにおつきあいくださいね。


2020年6月6日

株式会社ほぼ日 代表取締役 社長 糸井重里


(2020年6月6日のほぼ日刊イトイ新聞に掲載したものです)



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